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足利銘菓『古印最中』にかよう相田みつをの心 - The heart of the Mitsuwo Aida -

ひとつのことでも

店内写真 この書は私の住んでいる足利市内にある和菓子の老舗「香雲堂本店」の”古印最中”の栞として使われていることばです。
香雲堂さんは、もなか一つで全国的に有名になりました。

私は若い頃、生活のために、商店の包装紙のデザインや宣伝文を作る仕事をやっておりました。家にいたのでは仕事はきませんからあちこち注文取りに歩きました。

古印最中  香雲堂さんに行った時のことです。
ご主人が自分の店の包装紙を私に見せて、
「これよりもいいものを作る自信はありますか?」
と聞くんです。私は即答しました。
「自信は少しもありませんが、うぬぼれだけはいっぱいあります。」
するとご主人は、
「ほう、あんたはおもしろい、頼もう!!」
ということになりました。

私は一生懸命に包装紙をデザインし、栞のことばを考えて書きました。
現在見ると大変恥ずかしいものですが、このことばは、包装紙と共にいまだに使ってくれております。おかげさまです。

相田みつを

相田みつを
大正十三年、栃木県足利市生まれ。書家・詩人。
旧制栃木県立足利中学校卒業。旧制中学の頃から短歌・禅に出会い、独特の世界観を書として表現する。
昭和五十九年、『にんげんだもの』出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を拡げた。
平成三年十二月、六十七歳で逝去。平成八年には東京銀座に相田みつを美術館が設立され、現在は丸の内の東京国際フォーラム内にて開館中である。

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